噂の男 東京公演観劇


18日と、20日のマチネを観劇。両公演とも、上手側中段よりも前方辺り。事後に思うに、割とベストに近い位置で観られたかと。

パルコ劇場サイトのあらすじを読んで、どうやらコレはネタバレ遮断した方がいいな?と思ってそうしてみた。正解でした。いろんな意味で、まっさらな状態で挑むべき気がした。

あ、"いやーな男たちの、いやーなお話"で有る事ぐらいは予備知識として持っていた(と言うか、先に観劇した友人は、口を揃えてそう言ってた)ので、それなりに覚悟はしていたんだけども。

確かに、一言で言うと、嫌な話だ。

でもね、何故か、初見の時から、後味が悪くなかったの。
これは役者の力量?それともホンの力?演出のワザ?おそらく全部有ってこその、それこそ化学反応なのかも知れないけど。

それとも、何処かリアルじゃないから?
出て来る人のキャラも、ストーリー運びも、全てが客の共感を絶対に許さないトコがまた凄い。その、舞台と客席の埋まらない溝みたいなモノと、"寄席小屋のボイラー室"と言う閉鎖しきった、世間からくっきり切り離されちゃった空間で起こっている出来事が、ある種のファンタジーにまで昇華させてる。"ファンタジー"っつっちゃうと乱暴だけど、リアルじゃ無さ過ぎる、と言う意味も含めて。

あと、出て来る人皆、やってる事は狂いまくってるし凄くいびつなんだけど、その根底に愛情が有るのね。その対象は様々だし、即物的な人もいれば、それこそ自覚無く歪んだ愛をぶつけてるだけ(に見える)の人もいるんだけど、その常軌を逸した行動が全て彼らの"愛憎に依るもの"だと受け止めるとね、展開の理不尽さとか唐突さが理解できると言うか、「そーゆーもんかな」と思っちゃうと言うか。理解できるような種類の事でも無かったので、ワタシはそゆ風に取る事にしてみた。
此処に関しては、今後観て行くウチに印象が変わって来るかもな、とも思っていたりして。